2006.07.19
自治会法人東林間自治会 幹部個人損害賠償および慰謝料 請求事件
平成18年(ハ)第312号 損害賠償および慰謝料  請求事件
原 告: 佐伯 雅啓
被 告: 木俣 壽保、 久保田 敬司
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原 告⇔被告  論述比較表
第 1 当事者

原告 第1回訴状
平成18年4月21日
被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
-p2-
1. 被告木俣壽保は平成16年4月29日当時および平成18年4月19日現在も自治会法人東林間自治会(会員数約4500)(以下、東林間自治会とい う)の代表者である(甲B1)。被告久保田敬司は平成16年4月29日当時は東林間自治会の総務部長であり(甲B3)、平成18年4月19日現在は東林間 自治会の副会長である。



2. 原告佐伯雅啓は現住所に昭和39年より現在まで40年間以上も継続して居住し、昭和40年頃より旧・東林間自治会(法人になる前の自治会)に加入 し、以来、自治会費を納付してきた者で、平成18年4月21日現在も東林間自治会員である。
-p1-
1. 第1文は、認める。
 なお平成18年4月29日の東林間自治会総会(以下「総会」という)において、被告木俣壽保(以下「被告木俣」という)が退任し、富永尚行殿が会長に就 任した。現在被告木俣は、東林間地区連合自治会長である。
第2文は、認める。 なお平成18年4月29日の総会において、被告久保田敬司は副会長を退任し、現在無役である。

-p2-
2. 原告が、平成18年4月21日現在東林間自治会員であることは認め、その余は不知。

-p10-
2. 訴えの当事者について
 被告らは、自治会役員としてこれまでの慣例及び総会への傍聴は認めないとの役員会決定に従って職務と果たしたのである。被告らのみ2名だけが名宛人とな る理由はない。
-p9-
3)被告木俣を、自治会長としてではなく、個人として訴えた理由について
 被告木俣は上述のごとく、規約違反を指摘されても、かつ規約違反を充分知りなが ら、 なお詭弁を弄して黒を白と言い張り、違法に総会を乗りきったことは録音等の証拠で明 白である。被告木俣は、自治会長の立場であれば、地方自治法第260条の2(8)の規定に反して傍聴させない理由を論理的に説明する責任がある。しかし、それができず、説明責任を果たせなかった原因は、純粋の自治会長の立場でなく、個人として動機不純な発想をし
たからである。発想の目的は、本来、純粋かつ公平であるべき会長の立場を全く離れ、自治会長という権力(利 権が容易)の座を入手し、維持することであったと思われる。これは個人的欲望であると原告は 判断した。さらに、甲第9号証に見られるごとく、被告木俣が20もの役職についていることも異常であり、これは個人としての支配的性格や性質によるものと考えられる。以上を総合的に考慮して、個人として提訴した。また上記の如く平成16年4月29日の総会は違法で、成立していないと原告は判断するので、総会で原告木俣が会長に再選されたのも無効と原告は考える。この面からも被告木俣を自治会長としてではなく、個人として訴えたのである。


第 2  被告らの非民主的、独裁的自治会運営

原告 第1回訴状
平成18年4月21日
被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
1. 東林間自治会規約 では会の目的を「地域的な共同活動を行うことにより良好な地域社会の維持および形成」とうた い、「安全な安心して住める街づくり」をモットーとしている。しかし被告らによる近年の自治会運営は全く逆で、独裁的、非民主的で、経理面でも不明朗な運 営を行っている。このため定期的に開かれる区長会(区長は一般会員より選任)や自治会総会では、出席者の抗議等で紛糾することが度々である。

2. 総会が紛糾した例は平成16年4月29日開催の自治会総会の実況録音でも明白である。この録音で聞ける如く、総会冒頭で被告久保田は「総会の実況は 事務局で録音記録して議事録も発行するから・・」と個々の出席者の録音を禁止した。だが過去の実績で、被告らに都合の悪い部分は議事録に載せない。それを 知っている或る区長が密かに実況録音した。これが添付テープの音であり、その内容の音声はWEBページ(http://sagamipara.net/tourin/) でも聴ける。
1. 第1文は、認め る。
第2文は、否認する。
自治会の目的に沿い、役員会の決定に従って自治会運営をおこなっており、経理面も何ら問題ない。
第3文は、否認する。
 過去に東林間自治会館建設に関する案件に関して、建設賛成・反対の各意見の対立により、反対意見者らが総会・区長会を攪乱するようなことがあったのであ る。

2. 第1文は、否認する。
 平成16年4月29日の総会は、被告らが紛糾させたわけではない、意見の対立により、特に建設反対派による攪乱が原因である。
第2文は、認める。
第3文は、否認する。
 紙面容量の問題もあり、議事録として必要な事項は記載し会員に配布している。
第4文中、或る区長が密かに実況録音したことは認め、その余は否認する。
第5文は、認める。
 ただし、原告側に都合の良い箇所だけ録音調整していると思われる。
1.  被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−1 (公開質問書に答えぬ自治会長)
 平成16年4月29日の東林間自治会総会にて、議事審議が終了したところで、来賓と共に2階別室から総会会場に入った原告佐伯は、木俣会長が新年度役員 を選任・紹介、挨拶した後で、木俣会長へ公開質問書(甲第10号証)を手渡した。そして文書での回答を求めた。それに対し木俣会長は、「いつも自分は此の 総会など、公開の場で考え方を説明している。だから特に文書での回答はしません。」と回答した。その発言は、録音テープ(甲第5号証 )の・(2巻目の裏)の始めの方に録音されている。
 原告らが公開質問書を渡した理由は、その内容が重要で、それについて重大な疑義があったためである。さらに木俣会長の発言や説明が信用できぬ事が多々あ るので、文書回答を求めたのである。例えば自治会館建設用地問題では、神社境内の市有地の使用について木俣会長は「市の了解を得た」と説明して、建設を推 進したが、市長へ問い合わせると、「了解していない」との文書回答が来た。そして建設は中止になった上、支払い済の一部設計料50万円は無駄になった。そ の責任を取らぬ被告木俣は恥を知るべきである。 また木俣会長は「総会など公開の場で考え方を説明している」と言ったが、総会は一般会員が傍聴禁止される から、公開の場ではない。全く当然の内容の公開質問書に、「回答しない」と公言したのは、非民主的自治会運営の1例である。

2. 被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−2 (嫌な質問は受付けぬ自治会長)
 平成16年5月15日に開催された平成16年度第1回区長会において、古木茂区長より質問の挙手があった際、木俣会長=座長は、時間が充分あるにもかか わらず、「議事は終わったので質問は打ち切る」「議題にない質問は受け付けぬ」と言い、質問を一方的に拒否した。しかしその後に他の区長がおこなった 2〜3件の質問には、木俣会長は丁寧に答えた。木俣会長は自分が気にいらない、または困る質問が出ると思い込み、拒否したのである。この問題に対し、岩本 区長より木俣会長に抗議文(甲第11号証 )が出された。これは被告らの非民主的、独裁的自治会運営を雄弁に語るものである。

3. 被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−3 (会長宛の無効委任状を採用)
 平成16年4月29日の自治会総会で、久保田部長(被告)は「委任状中、自治会長に任せるという答えが40通である」と言明した(甲第4号証の録音記録10頁1行目 )。自治会執行部が印刷し、区長へ配付した委任状用紙では、委任される者の氏名を記入しなかった場合には、自動的に自治会長が委任を受ける内容で印刷され ていた。従って、相互に面識が少ない区長らが総会を欠席し、委任者名を空欄にした場合には、自治会長が委任された形になった(意図的)のである。この結 果、木俣会長が40票の委任状を得たことになった。
 しかし当自治会規約では、第19条2で、代議員の委任を受けられる者は代議員=区長のみであると規定があり、会長は委任を受けてはならない。総会席上で 区長らが此の点を指摘し、抗議したが、被告らは会長への委任状40通は有効であると強弁し、抗議を抑圧し、総会を続行した。これは被告らの非民主的、独裁 的自治会運営の証拠である。

4. 被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−4 (議決権なき部長らの採決参加)
 平成16年4月29日の自治会総会では、議決権を持つのは代議員である区長のみであるが、木俣会長が任命した部長、副部長ら役員多数が採決に参加した。 これに対し、会場の多くの区長らが抗議、紛糾した。その様子は総会録音記録(甲第4 号証の5頁末〜8頁まで)に延々と記録されている。その6頁の終わりで は木俣会長(被告)が「そして慣例でございますけど、もう此処は何十年と、新旧区長さんを代議員とし、そして時の役員を代議員として、長年やって来たわけ です。」と臆面もなく、規約違反の内容を正当化しようと強弁し、抗議の声を抑圧した。それに対し、内藤区長がさらに抗議したが、木俣被告は詭弁を弄して、 のらりくらりと逃げている。(7頁の最初から約半頁 に記録)
 これは被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠である。

5. 被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−5 (アンケート結果の非公開集計)
 自治会館建設に関し、平成16年2月に会員アンケートが行われたが、個人のプライバシーを守る為との口実で、集計は自治会幹部約3人が非公開でおこなっ た。不正が行われた疑惑もある。この非公開集計も被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠である。

6. 被告らの自治会運営に経理的問題がある証拠−1 (会長の1000万円受領事件)
 東林間地区に平成16年に建設された約200戸の大規模集合住宅(プラウドシティ東林間)の建設に際し、被告木俣が同年に建設業者から1000万円を受 け取っていたことが判明した。名目は地域への協力金とされたが、自治会員は地域住民の一部(推定60〜70%)であり、しかも自治会は任意法人であり、地 域を代表するものでもない。故に当自治会が建設業者から巨額な不明朗金を受け取るべきでない。本件は当自治会の平成17年の総会でも「受け取るべきでな い」と指摘されたが、木俣氏は受け取った後であったので、自治会として雑収入として入金処理したと、総会で事後報告があった。原価削減が課題の建設業界に おいて、巨額の金を地域への協力金など曖昧な名目で業者が出すのも理解できない。さらに1000万円は表に出された金で、実際に動いた金の一部に過ぎない のではないか?との見方をする人もいるが、証拠は不明である。甲第9号証によれば被告木俣は相模原市住宅審議会会長にも就いている。そのような要職にあ り、自治会長でもある者が、この様な疑惑を招く行動を絶対にしてはならない。事前に総会の承認を得ることなく金を受け取ったのは、個人として何らかの理由 があって受け取ったのではないかと、疑わざるを得ない。本件は自治会組織を巧妙に利用した贈収賄事件の可能性すら匂わす。
 さらに驚くことに、その後、この金の一部、350万円が、自治会会計より東林間商店街振興組合へ渡り、同組合の平成17年度決算で特別利益として報告さ れ、同組合の総会でも、自治会に入った金が何故、商店街振興組合に入るのか、不明朗な金は入金すべきでない、と問題になった(振興組合事務所だよりNo.164号)。実は木俣被告は商店街振興組合理 事長経験者で、現在も顧問であり(甲第9号証)、組合の運営に大きい影 響力をもっている。それは被告木俣が平成18年度の商店街振興組合の役員選考委員長であった(甲第9号証 )ことでも明白である。被告木俣は何らかの目的で、自分が運営を左右できる商店街振興組合に、自治会から350万円を移したのだと思われる。1000万円 の別の一部300万円は、その後、自治会より「東林間まちづくり委員会」にも移された。被告木俣は同委員会の委員もしており、委員会に強力な影響力を持っ ている。被告木俣は何らかの目的で自分が運営を左右できる同委員会へ300万円を移したのだと思われる。 上記した事は被告らの自治会運営に経理的問題や 疑惑があることを示す証拠である。

7. 被告らの自治会運営に経理的問題がある証拠−2 (自治会館設計費損害事件)
 被告木俣らが、自治会館建設に関し会員へ賛否アンケートを平成16年2月におこなう前に、建設を急ぎたいばかりに見込み発車し、設計の一部を設計会社へ 独断で発注していた。そして、14年度から仕事をしてもらっていたからとの理由で、平成15年度中に設計料50万円を支払い、平成16年4月29日の総会 で事後承認を求めた。総会では抗議で紛糾したが、押切られ承認とされた。(総会録音記録=甲第4号証、12〜14頁
 しかし、建設用地としての市の土地の使用承諾を得たと虚偽報告し、市の山口助役からの「承諾していない」との文書回答で、被告らの強引な建設推進が阻止 されて、自治会が業者に払った50万円の設計費は無駄になった。被告らは自治会に損害を与えたままであり、全会員は本件に関して自治会執行部役員に対し損 害賠償請求権を持つと思われる。
 公人としての自治会長として行動するなら、2億円近い巨額の会館建設は、会員の総意による承認を得て着手すべきであるが、被告らが勝手に発注したのは、 被告らが何らかの目的で個人として主導したものと判断せざるを得ない。本件は背任行為とも思える。
 上記も被告らの自治会運営に経理的問題がある証拠である。


第 3 事実経過

原告 第1回訴状
平成18年4月21日
被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
1. 原告は東林間自治 会の運営が異常との噂を聞いたので、平成16年4月29日午前10時より開催予定の自治会総会 を傍聴したいと思った。
・だが総会には自治会役員と代議員(区長)及び来賓以外は入れない、傍聴もできない、との話を聞いた。
・そんなバカな話はないと思い、自治会規約(H15年度)(甲B2)を読むと、「
・自治会総会は会員により選ばれた代議員(区長)及び本部役員で構成する。
・通常総会の代議員は前年度の区長および新年度の区長とし、臨時総会は新区長のみとする。
・本部役員は会長1名と副会長若干名、会計1名、監事2名である。」と書いてあった。
・一般会員の総会傍聴を禁止する規約は無いことを確認し、原告ほか1名が総会会場へ行った。

2. 原告が開会前に東林間児童館1階に設けられた会場へ行くと、入口で氏名を聞かれて、会場とは別の2階の1室に案内され、「ここで暫く待って下さい」 と言われた。



・その部屋には先客数人がいた。後で判ったが彼らは前・元・自治会長の3名と地元の議会議員3名ほかの来賓だった。
・原告は来賓に間違えられた模様。
・仕方がないので来賓と一緒に雑談して呼びに来るのを待ったが、総会が始まっても呼びに来なかった。
・本村県議会議員は待ちきれず部屋から出ていった。






・来賓らも異常を感じて不満を言い出した。

・聞くと「自治会総会では来賓も総会の最初から参加して審議状況を聴くのが慣例。
・今年は来賓を2階別室に祭りあげ、隔離した感じ」という。

・その理由は私にも見当がついた。
・不明朗な会運営を区長らが口々に異義を申し立て、抗議し、総会が紛糾混乱する、と自治会幹部が予想し、審議が終わるまで来賓を別室に隔離したと思った。





・審議終了後に来賓挨拶の時間を設け、来賓を会場へ呼ぶ策略だったのである。

3. 1時間も待った頃、一人の男(被告久保田)が来て「審議が予定以上に延び、申し訳ございません」と言い、原告に気づき「失礼ですが、どなた様です か」と聞いた。「一般自治会員の佐伯」と答えると、「区長以外の人はお引取りください」と強圧的な態度で追い出しにかかった。
・「なぜ傍聴させない?」と尋ねると、「前例がない。一般会員の傍聴は禁止と役員会で決めたから」と言い張った。

・私は「そのような事は会規約に書いてない」と抗議したが、久保田は「役員会で決めたこと」と言い張り、10分間以上も私と言い争った。

・私は無理が通って道理が引っ込むことは許せないと思い、また原告の威圧的な言い方に腹が立ち、怒りも感じて、大きな声で抗議し続けたが、心臓が高鳴り、 全身から汗が出た。
・この一部始終を同室の来賓も見聞した。
1. 第1文は、不知。


第2文は、認める。

第3文中、自治会規約については認め、その余は不知。

第4文は、認める。

第5文は、認める。

第6文中、一般会員の総会傍聴を禁止する規定がないことは認め、その余は不知。
 なお一般会員の総会傍聴を許す規定もない。


2. 第1文は、原告が開始前に東林間児童館1階に設けられた会場に来たことは認め、その余は否認する。
 原告を案内した場所は、会場とは別の2階の来賓室である。受付で原告から「市のほうから来た。」と云われたので当日受付を担当していた会員の陶山和彦氏 が案内した。このことは総会の入り口とは別の入口でご来賓者の受付をしていたので明らかである。
第2文は、認める。


第3文は、認める。
第4文は、否認する。
 第1文の箇所で述べたとおり。
第5文は、認める。
 総会は10時開始であるが、来賓の総会への入場時間は午前11時30分の予定であった。
第6文中、本村県会議員が部屋から出て行ったことは認め、その余は否認する。
 同議員は、用があって部屋を出ただけであり、待ちきれずに出た訳ではない。
第7文は、否認する。
 そのような事実はない。
第8文は、否認する。
 総会は午前10時から12時の2時間の予定であり、来賓の方は午前11時30分に会場に入場予定となっていた。総会終了後の12時以後来賓の方との昼食 会も従来どおり予定されていた。
第9文は、不知。
第10文は、否認する。
(1)来賓の方が総会討議中に入場すると、議決時に勘違いして挙手をする者もあり、その混乱を防止するためと、(2)前年度の総会において2時間の予定 が、午後1時45分まで長引いてしまったことから、来賓の方に長時間拘束し迷惑をかけてはいけないとの配慮から、役員会において来賓の方の総会への入場時 間を11時30分としたものである。
第11文は、否認する。
 第10文の箇所で述べたとおりである。

3. 第1文は、認める。




第2文中、原告が「一般自治会員の佐伯」と答えたことは不知、その余は否認する。被告久保田は、原告に対し「来賓の方の控え室なのでお引き取り下さい。」 と丁寧に対応していた。
第3文は、不知。
 被告久保田は、「ここは来賓控え室なのでお引き取り下さい。」と述べ原告と押し問答となったことはあるが、その余の言葉は記憶にない。
第4文は、不知ないし否認する。
 第3文の箇所で、述べたとおりである。
第5文中原告が大声を出していたことは認め、その余は不知ないし否認する。
第6文は、認める。
 来賓の方は、被告久保田が原告に対し失礼のないよう対応していたことは承知されている。

-p7-
被告指摘の不法行為の事実はない。
(1)自治会運営について
-p7-
 総会は、毎年4月東林間児童館にて開催され、その構成は議決権を有する前区長及び新区長及び本部役員の約160名であり、来賓の方もいることから会場で ある児童館の収容人数の点、また傍聴を許す自治会規定がないこと、仮に傍聴を許すとその人数が多数にのぼる場合に会場に入れない傍聴人が出るおそれ等不公 平となることから、慣例上傍聴なしで開催されてきた。
-p8- 
(2)総会、区長会で被告らが混乱させた事実もない。
 定期的に開かれる区長会や自治会総会では、出席者の抗議等で紛糾することが度々あると指摘しているが、総会では原告が傍聴を申し出た平成16年4月29 日の総会と、自治会会館建設の是非と問う平成15年4月29日の総会の2回だけ、各意見が取り交わされただけである。



-p8-
 平成16年4月29日の総会が午前10時から12時までの2時間の予定が午後1時45分まで延びた原因は、原告及び一部の区長が自治会執行部を批判する 文書を総会前に配布し(乙1・ビラ)、一部の区長が総会の会場で罵声を出 したものである。これがあっても審議が粛々と進んだことは総会議事録で明らかである(乙2・平成16年度総会議事録)。同じく前年度の平成15年4月29日の総会 も同じく自治会会館建設の質疑が行われた後に議決されている(乙3 ・平成15年度総会議事録)。
 
この総会での議論の考えられる遠因は、東林間自治会は自治会館の建設が自治会員の永年の願いであり(乙4・ふれあいだより抜粋)、既に平成12年11月15日には市に要望書を出 している(乙5・ふれあいだより抜粋)、具体的には、市との調整を経て市 の土地に建てることで、平成15年3月に自治会館の建設趣意書を発表し(乙6・ ふれあいだより抜粋)、建設推進委員会を設立して国や市の助成金と会員の一部負担で建てる案をもとに具現化して来た。国や市に助成金を申請する上でも、会 員に説明する上でも計画図が必要であるが、自治会館の建設を地域の建設業者が受けるにしても、建設費の公正を期するため東林間地域外の、補助金申請に精通 した設計事務所に計画図を依頼した。この行為に対し、東林間地域の大きな建設業者は自分の所で建設を受注するためには、設計も自分の所で受注しておかなけ ればならないと考え、依頼がないのはおかしいとの思い込みが発端となり、建設地の土地問題に絡めて建設反対問題に発展したものと云える。このことは平成 15年までは、この建設業者が建設推進委員会の委員(古木益美左)をしており(乙 7・東林間自治会会館建設推進委員会名簿)、建設に賛成されていたことと、建設業者が委員を辞めてから、それまで出てなかった自治会会館建設の批 判が出て来たことからも明らかである。























































































-p7-
2)被告側は答弁書で「H16年4月29日の総会にて、審議が粛々と進んだことは総会議事録(乙・2)で明らか」と言う。しかし、総会審議の録音と、その文書化記録(甲第4号、5号、6号証 )が実態を証明するとおり、総会審議は大荒れに紛糾し、そのため2時間の予定の総会が、3時間45分もかかったのである。延引の原因は執行部の不法かつイ カサマ運営にあることが録音より明白である。総会審議が粛々と進んだとする被告らの答弁は噴飯ものである。

-p6-
(答弁書8頁)第10行 〜13行(乙1・ビラ) について
 「平成16年4月29日の総会が...延びた原因は、原告及び一部の区長らが自治会執行部を批判する文書を総会前に配付し(乙1・ビラ)、一部の区長ら が総会の会場で罵声を出したものである。これがあっても審議が粛々と進んだことは総会議事録で明らかである。」との被告側の答弁を否認し、反論する。

1)被告側が提出した怪文書(乙1・ビラ)は原告が全く関知せぬものであ る。原告は今回、乙1号証として出されたものを見たのが初めてで、いわん や原告が作成したものではない。被告側証拠説明書によれば、乙1・ビラが 配付された時期はH15年4月頃とのことであるが、原告はその頃は自治会問題に全く関係していなかった。原告が自治会問題に関心を持ったのは、H16年2 月頃に自治会館建設に関するアンケート用紙を受け取ってからである。以来、自治会執行部の強引な建設推進に疑問を持ち、調査を始めた。そして原告は大木正 美氏と共に自治会長宛の公開質問書(甲第10号証 、H16年4月28日)を作成、区長宅へ配付すると共に、翌日の総会席上で自治会長へ手渡した。その後、原告が文書を作成・配付した場合も、全てに氏名、 住所を明記しており、原告が怪文書を作る必要も理由もない。
 原告は自治会館建設反対派ではない。会員に充分な情報を与えずに、何がなんでも建設したいと、強引に建設を推進しようとしてきた様に見える自治会執行部 のやり方(プロセス)に反対してきたのである。それを理解せぬ被告らは、「建設反対派」という怪しげなグループがあるかの如く弁論し、「建設反対派」と原 告が結びついているとのイメージを世間に与えたいようである。今回の被告側の第1回答弁書が正にその通りであり、原告を貶める意図が伺えるが、ナンセンス である。


第 4 被告らの責任

原告 第1回訴状
平成18年4月21日
被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
 被告らは、良好な地域 社会実現に資する目的で設立した自治会の運営に責任ある、自治会長と会の総務部長という重要な 立場にありながら、本来の趣旨に全く違反する下記の非民主的運営をおこない、自治会構成員原告に被害を与えた事に責任がある。

1. 被告久保田は、自治会総会の傍聴を希望する自治会員(原告)に対して、規約に無いにもかかわらず、役員会で決めた等、その場での口から出まかせの虚 偽の理不尽な理由を言い、傍聴を禁止し、10分間以上も、威圧的態度で執拗に会場から出て行くように迫った。これにより原告の傍聴を妨害して、不可能に し、原告に重大かつ長く忘れがたい精神的苦痛と非常なる不快感、屈辱感を与えた。

2. 被告木俣は、巨大な東林間自治会の運営を統括・指導し、合理的かつ民主的運営を行うべき立場にありながら、会長に就任以来、非民主的独裁的な運営を 行ってきた。これらに批判的な意見を封じるために、また自治会総会が紛糾する実態を知る人を最小限に抑えるために、被告久保田と共謀して、慣例に反して来 賓が総会審議を傍聴できないように策略し、さらに代議員以外の一般会員の総会傍聴を禁止したことは明らかである。原告は平成16年4月29日の上記1の不 快な経験をして以来、同じ不快と苦痛を再度味わされるのが嫌で、自治会総会と区長会の傍聴が実質的にできなくなり、結果として、被告木俣は会員の自治会運 営の実態を知る権利を侵害した。
第1文は、否認する。
 被告らは自治会の趣旨、役員会の決定に従って自治会運営に携わってきたものであって、何ら非難されるべきことはない。


1. 否認する。
この点、後述する。







2. 否認する。
 原告が傍聴問題で平成16年4月29日開催の総会を妨害し、総会審議をストップさせたことは、安心して住めるまちづくり活動を進める自治会の信頼を失墜 させたものであり、原告こそ自治会運営を意図的に阻害するものである。
 なおこの点、上記と同じく後述する。
-p8-
 被 告久保田が、純粋に自治会総会を取り仕切る役の総務部長として原告の傍聴を禁止するのであれ ば、総務部長としての義務を果たすべきであった。その義務とは、原告が「如何なる法律、規約 を根拠として傍聴を禁止するのか?」と再三にわたり質問したときに、合法的な回答をする事で ある。しかし被告久保田は、地方自治法第260条の2の内容を熟知している筈にもかかわらず、または熟知しているべき責務を負っていたにもかかわらず、合理的な回答をすることなく、ひたすら原告の傍聴を禁止した。
 これは総務部長という役職に基づいた行動ではないと断定されても当然である。す なわち、個人的な何らかの理由や目的によって意図的に行動したものと断定せざるを得ない。 その理由、目的とは、規約の原則と慣例に反して自治会長3期目就任を狙い画策して いた被告木俣の意向を体して、被告木俣の忠実な第一の側近として、何が何でもこの総会を無事に乗り切ることであった。この目的のために強引に総会を進行させようと被告久保田が躍起になっていた姿は、多くの代議員の目にも明らかであったと思われる。この目的の為には、総会を被告らが計画した通りに終わらせることが被告久保田の役目であった。
 以上に述べたことにより、被告久保田は個人として傍聴を禁止する権限は無かった ものの、被告木俣の強大な権力を背景に強引に権力を振るうことに慣れていたため、個人として傍聴を禁止したものと判断し、個人を提訴したのである。

 被告久保田が同様な行動をとったことについては他にも証拠がある。平成15年4 月に開催された同自治会の総会において、自治会館建設の賛否について議長が代議員の挙手で採決した結果、反対多数と議長が発表した。すると被告久保田(総務部長)が「採決の結果に疑義がある」と発言し、さらに「自治会長宛の委任状38通があるので、会長(被告木俣)の判断を仰ぐべきだ」と賛成側に誘導した。被告木俣は「この機会を逃しては建設
は不可能になる」との口実で、委任状38通を会長の意見に同じとして、賛成票に加 えた結果、賛否の票数が逆転し、総会の結論は建設賛成に変化した。
 自治会規約では、会長は議決権の委任を受けられないし、会長自身にも議決権はな い。議決権を持てるのは新旧・区長のみである。それを最もよく知っている筈の総務部長(被告久保田)が上記の異常な行動を取ったのである。これらの一部始終を、ある区長が全てテープに録音しており、原告は録音を聞いて驚愕した。この例でも、被告久保田は総務部長としては議長の採決結果を覆す権限はないにもかかわらず、自治会総会の場で不法かつ強引に力(権力)を行使し、決して許されない事をおこなった。正に言語道断である。
 そして、被告木俣も同様である。このような無法な事をしてきた自治会法人につい ては市長は認可を取り消すべきである。この例でも、被告久保田は公人の総務部長ではなく、異常で不法な意図をもって、個人として行動していると断定せざるを得ない。
 原告が被告久保田を個人として訴えた理由は他にもある。平成16年4月29日の 東林間自治会総会で、・定足数の偽装。・代議員資格のない役員の多数を被告らが、区長らの抗議を押し切り、有資格として強引に採決に参加させたこと。・採決方法を挙手または起立でおこなうべき、との区長らの抗議を無視して、議長が拍手で採決したこと。・採決時に賛成拍手した者が主に役員ら少数者だったにもかかわらず、議長が拍手多数と宣言し、多くの議題を違法に承認としたこと。等の不法行為があったことは録音記録で明らかである。これらの理由により此の総会は成立しておらず、被告木俣の会長3選は無効であること原告は判断する。したがって3選され会長に就任したと称した被告木俣が、総会席上で新・自治会役員(部長、副部長)らを任命した行為も無効であると思われるので、被告久保田は総務部長の資格はないと考える。ゆえに被告久保田を個人として提訴した。


第 5 損害の額

原告 第1回訴状
平成18年4月21日
被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
    1. 原告が自治会運営の実態を知る権利を被告木俣に侵害されたことによる損害
     当自治会の年会費は1世帯3600円である。これは合理的かつ誠実に運営される自治会に会員が平穏に参加している場合に得られるメリットへの対価と考え られる。一方、今回の事案のように、本来当然得られるべき権利が、不当に侵害され、傍聴の権利を侵害されたケースは、民主的運営の毀損という重大かつ異常 な事態であり、受けた損害は自治会費の年額とは別の観点から考慮、算定されるべきである。権利侵害の重大性に鑑み、損害額は年会費の10倍、36000円 が相当であると判断する。







    2. 被告久保田が与えた精神的苦痛と不快感、屈辱感に対する慰謝料
     原告は自治会長OBや地元議会議員ら数名の前で被告久保田より著しい精神的圧迫と苦痛、不快感、屈辱感を与えられた。これに対する慰謝料を3万円と算定 する。
    理由。男性の理髪料金は1回約3000円程度である。これは理髪の結果で得られるメリット(快適になれること)の対価と考えられる。被告久保田が不合理な 根拠、理由で傍聴を禁止し、会場付近から原告を追い出そうとした過程で、原告に与えた精神的圧迫・苦痛、不快感などは、理髪で得られる快適感の、逆の10 倍に相当すると判断し、3万円と算定する。別の判断では、レストランでフルコース・ディナーを食べると代金は1万円程度である。それによる満足感を+1万 円相当とすると、原告が味わされた威圧感、不快感、苦痛はマイナスで3倍、3万円に相当すると算定する。

    3. 上記1より損害賠償金は36000円、上記2より慰謝料を30000万円と算定する。
1. 「原告が自治会運 営の実態を知る権利を被告木俣に侵害されたことによる損害」に関して
第1文中は、認める。
第2文は、否認する。
 自治会費は、自治会の目的に基づく諸活動を経済的に支えるためのものであり、会員が支払い義務を負うものである(甲B2 ・自治会規約第1条(目的)、同第6条(会費))。
第3文は、否認する。
 原告は「傍聴の権利」というが、自治会規約上「傍聴の権利」を認めた根拠規定は存在しない。傍聴を認める根拠規定が存在しないということは、当然傍聴が 認められると言うことではなく、総会の開催会場の収容人数、これまでの慣例、役員会の決定等諸々の要素があるのであって、一概には決められないのである。
 また、被告木俣が原告の傍聴の権利を侵害したとの事実もない。
第4文は、否認する。
 傍聴を認める自治会の根拠規定は存在しない。

2. 「被告久保田が与えた精神的苦痛と不快感、屈辱感に対する慰謝料」に関して全面的に否認する。
 被告久保田は、自治会の役職を紳士的に全うしただけであり、原告が指摘する精神的苦痛など与えたことはない。原告の全くの言いがかりである。



第 6 結語

原告 第1回訴状
平成18年4月21日
被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
1. 以上述べたことに よって原告は、被告木俣に対しては不法行為による損害賠償を、被告久保田に対しては不当な言動 に対する慰謝料を請求し、被告らが不法行為または不当な言動をおこなった日から支払い済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め て、請求の趣旨記載のとおりの訴訟を提起するものである。

2. 近年の日本では、大は政治家や大企業、官僚による巨悪が増加し、小は子供による万引きまで増加し、憂うべき世の中になった。巨悪や強盗・殺人等の凶 悪犯罪の摘発や処罰は警察・司法の手に任せる必要がある。一方では自治会運営等に関する不祥事や、限り無く犯罪に近い行為など、我われ庶民の身近な所で不 法行為が行われていることがあるが、悪事が表面化しにくい、被害が1件1件は軽微・小額で、被害者が諦めてしまう、等の事由により放置されているケースが 多い。自治会問題では会員相互の横の連絡がとりにくい場合もあり、悪事が放置されることが多い。これが不まじめな自治会運営者の、つけ入る隙である。さら に自治会問題では1件1件の被害は小さくとも、被害者が会員全体にわたり、広範囲になる場合が多いので、看過できない。
我われ庶民も、自分たちで出来ることは小悪でも摘発する努力をすべきと思う。

3. 東林間自治会では、本件の他にも多くの糾弾すべき問題があり、原告の仲間が別途調査中であるから、さらに多くの問題が表面化すると思われる。本件提 訴はその先兵であり、裁判官殿の厳正な判決を期待するものです。
1. 争う。
 被告らは、自治会の目的に従い、また総会、役員会等で決まった事柄などを遂行し、その職責を果たしてきた。被告ら個人が訴訟の名宛人となるべき事柄では ない。




2. 述べることはない。
















3. 原告の仲間が糾弾すべき問題を調査中については不知、その余は否認する。
-p9-
 平成16年4月29日の東林間自治会総会で、・定足数の 偽装。・代議員資格のない役員の多数を被告らが、区長らの抗議を押し切り、有資格として強引 に採決に参加させたこと。・採決方法を挙手または起立でおこなうべき、との区長らの抗議を無 視して、議長が拍手で採決したこと。・採決時に賛成拍手した者が主に役員ら少数者だったにも かかわらず、議長が拍手多数と宣言し、多くの議題を違法に承認としたこと。等の不法行為が あったことは録音記録で明らかである。これらの理由により此の総会は成立しておらず、被告木 俣の会長3選は無効であること原告は判断する。したがって3選され会長に就任したと称した被 告木俣が、総会席上で新・自治会役員(部長、副部長)らを任命した行為も無効であると思われ るので、被告久保田は総務部長の資格はないと 考える。ゆえに被告久保田を個人として提訴した


第 7 被告らの主張

被告 第1回答弁書
平成18年6月7日
原告 第2回準備書面
平成18年6月30日
-p9-
(3)原告主張の傍聴の権利はない。
 平成16年4月29日の総会時に原告を案内した場所は、会場とは別の2階の来賓室である。この受付で原告が“市のほうから来た”と言ったため当時受付を 担当していた会員の陶山和彦氏が来賓室に案内した。このことは総会の入口とは別の入口でご来賓者の受付をしていたので明らかである。ところが市役所の方の 来賓される予定がなかったので、被告久保田が総会の合間に挨拶に伺ったところ、見知らぬ方がいたので名前を尋ねたところ、原告が「佐伯」と名乗ったため、 批判文書を配布した張本人であることが分り「ここは来賓控室なので退席願いたい」と押し問答となった。しかし、被告久保田が原告に対し失礼が無いように対 応したことはそこに居られたご来賓者の方全員が承知している。
 原告は総会前に、区長岩本泰治氏を通して一般会員の傍聴希望をしてたが、「傍聴の前例がないこと。このため傍聴制度が必要かを役員会に諮ったが、必要な いと決まった」と岩本氏に回答しているので、そのことを知る立場にあったはずである。それを承知で原告は、傍聴に来たのである。
(4)原告は、自治会の信用を失墜させ、さらに被告らを中傷した不法行為が存在する。
 原告が公開質問状をかざし傍聴問題で総会を妨害し、総会審議をストップさせたものであり、安心して住めるまちづくり活動を進める自治会の信頼を失墜させ るものである。
 この訴訟も、またこれを原告が主管するインターネットに載せており、その記事を近隣のポストに投函して(乙8 ・ビラ)、インターネットを見るように誘導しており、不特定多数の者に、自治会および自治会役員であった被告の名誉を著しく傷つけたことは明らかである。
 さらに被告らへの提訴、非民主的な自治会運営と断定して現自治会長富永尚行宛の「申し渡し書」をインターネットに掲載している(乙9 ・申し渡し書)。
 自治会活動は、地域ボランティアの最たるものであるが、原告の一連の所為は自治会役員としての謂われのない誹謗中傷である。このようなことが許されると 自治会運営の担い手が居なくなることは必定であり、東林間自治会にとって由々しき問題である。
 これらの原告の行為は、被告らの名誉を毀損するものであり、別途名誉毀損による損害賠償請求を検討中である。

2. 訴えの当事者について
 被告らは、自治会役員としてこれまでの慣例及び総会への傍聴は認めないとの役員会決定に従って職務と果たしたのである。被告らのみ2名だけが名宛人とな る理由はない。

 -p2-

原告の提訴理由に関する、準拠する法律等(との関係)

第1 日本国憲法第11条〔基本的人権の享有〕
     国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
       (憲法が国民に保障する基本的人権は、憲法第13条〜第40条で規定する。) 

第2 日本国憲法第14条〔法の下の平等及び栄典〕
      すべて国民は法の下に平等であって、...社会的関係において差別されない。

第3 地方自治法〔地縁による団体)第260条の2(甲 第8号証
   G市町村長の認可を受けた地縁による団体(自治会法人)は、民主的な運営の下に自主的に活動するものとし、構成員(自治会員)に対し不当な差別的取扱いを してはならない(原告注記:これは法人自治会運営の基本要件を定めた法律である) 

 原告が自治会総会傍聴を求めたことに対し、被告久保田が「一般会員の傍聴は前例にない。自治会役員会でも傍聴禁止と決め た」との理由で傍聴を阻止したのは、上記の各法律に違反する。さらに同日(平成16年4月29日)の総会席上で、被告木俣が(会長挨拶の中で)同様に「傍 聴請求があったが、前例にないことと、役員会で傍聴を認めないと決めたので、認めない」と公言した。この発言は録音テープ(甲第5号証)でも明らか。
 被告らは自治会運営に関する経験豊富な専門家である。被告木俣は平成16年4月までに、自治会副会長を3年間、会長を4年間も経験し、その他に驚くほど 多数の地域の役職に就いている(甲第9号証)。被告久保田も平成10年頃より自治会役員を勤め、平成16年当時は総務部長の要職にあった。ゆえに被告らは 上記の法律を当然知っていた筈であり、知っているべき責務があった。上記の法律を知っていなかったとすれば、その様な低レベルの素人(しろうと)が長年に わたり4000世帯超の大自治会を運営してきたこと自体が大問題である。上記の法律を知っていた上で、ほおかむりして、傍聴を禁止したとすれば、聴かれて 困ることがあったのである。甲第5号証録音テープは、紛糾・混乱する総会の審議状況を示し、紛糾し混乱する様子を原告や来賓に聴かれたくないので、被告ら は来賓らを別室で待たせ、総会会場から隔離したのである。
 被告ら及び被告ら代理人は答弁書の各所で、原告には総会傍聴の権利はない、と多弁するが、これが法的に全く根拠がないばかりか、法律に違反していること は、上記より明白で、原告が被告らの各所の答弁に個々に反論するまでもない。

 被告 第2回準備書面(1)
平成18年6月7日
 
1  要するに原告は、 「自治会員として傍聴する権利を有していた。」「地方自
   治法260条の2で保証されている」(原告準備書面(1)7 頁22行〜3行
   を根拠に、「被告木俣が傍聴を禁止したことから自治会運営の実態を知る
   権利を侵害したこと」(訴状4頁13行〜16行)、 被告久保田も「原告の傍
   聴を妨害し、それによって〜原告に〜精神的苦痛〜を与えた。」(訴 状4頁7
   行〜8行
)と主張するものであり、結局原告に本件総会、区長会への「傍聴す
   る権利」があったか否かに帰着する。

 2  日本国憲法11条(基本的人権の享有)、同14条(法の下の平等)に関す
   る公法と私法の性格論、いわゆる私人間への間接適用説の議論はさておき、原
   告は傍聴の権利の直接の根拠規定としている地方自治法260条の2第8項
   「第1項の認可を受けた地縁による団体は、民主的な運営の下に、自主的に活
   動するものとし、構成員に対し不当な差別的な取扱いをしてはならない。」を
   掲げる。
    しかしながら、戦前自治会は「上意下逹体制」の枠組みの中で軍国主義諸施
   策の遂行手段として利用された反省から、「当該認可を受けた地縁による団体
   を、公共団体その他の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈しては
   ならない」(地方自治法260条の2第6項)、「第1項の認可を受けた地縁
   による団体は、民主的な運営の下に、自主的に活動するものとし、構成員に対
   し不当な扱いをしてはならない」(地方自治法260条の2第8項)とする確
   認規定を置き、末端行政組織復活への危惧、その防止を謳っているのである。
    このように地方自治法260条の2第8項は、自治会の末端行政組織化を
   防止し各自治会が自主的な運営がされることが保障され、自治会内部において
   も自主性がより良く保たれるように構成員が不平等にならないよう配慮されて
   いるものである。地方自治法260条の2第8項は、自治会員個人の総会等へ
   の「傍聴の権利」を保障したものではない。

 3  自治会は、前記自主的な活動のため、(1)規約を定め(地方自治法260条の
   2第2項4号)、(2)規約には会議に関する事項(同法260条の2第3項7
   号)が定められる(必要的記載事項)。この会議に関する事項には、総会の種
   類・回数、権限、開催手続、議決手続が定められることになる。

 4  ところで東林間自治会規約上「傍聴の権利」を認めた根拠規定は存在しない。
   傍聴を認める根拠規定が存在しないということは、当然傍聴が認められると言
   うことではなく、総会の開催会場の収容人数、これまでの慣例、役員会の決定
   等諸々の要素があるのであって、一概に決められないのである。
    総会は、毎年4月東林間児童館にて開催され、その構成は議決権を有する前
   区長及び新区長及び本部役員の約160名であり、来賓の方もいることから会
   場である児童館の収容人数の問題があり、仮に傍聴を許すとその人数が多数に
   のぼる場合に会場に入れない傍聴人が出た場合不公平となること、傍聴を許す
   と議決の時に議決権を有するものと傍聴人との混同が生じ議決数確認の議事進
   行上問題が生じること等から慣例上傍聴なしで開催されてきた。

 5  このように、被告には元々総会を傍聴する権利はなく、被告らもこれまでの
   来賓以外の一般会員の傍聴を認めていなかった慣例に従って対応したものであ
   り、何ら非はない。原告の請求は棄却されるべきである。       以上
 
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