平成18年(ハ)第312号 損害賠償および慰謝料 請求事
件
原 告: 佐伯 雅啓
被 告: 木俣 壽保、 久保田 敬司
準 備 書 面 ( 1 )
平成18年
(2006年)6月30日
相模原簡易裁判所 民事B係 御中
(送達場所)
〒228-
0812 神奈川県相模原市相南1丁目3番13号
原告: 佐伯 雅啓 (印 )
電話:042−744−2707(FAX同番)
記
本事件についての平成18年6月15日の第1回口頭弁論において、原告の提訴理由に関し準拠する法律との関係を次回弁論で示すように、裁判官より原告に
求められました。そこで原告が準拠する法律との関係等を、この準備書面(1)第1部で示します。 この準備書面(1)第2部では、被告側の答弁書(平成
18年6月7日)に対する認否・反論を論述します。なお、前記答弁書の内容が多項目にわたるため、重要度と時間効率を考慮して、項目について順不同で認
否・反論を行います。準備書面(1)で積み残した項目については、追って別の準備書面で提出しますことを御容認ねがいます。 この準備書面(1)第3部で
は、平成16年6月15日に開かれた、第1回口頭弁論にて、原告が裁判官より質問された宿題の各項目について、回答を記します。 この準備書面(1)第4
部では補足とし、原告が総会傍聴を求めた理由を示します。
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準備書面(1)第1部 原告の提訴理由に関す
る、準拠する法律等(との関係)
第1 日本国憲法第11条〔基本的人権の享有〕
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
(憲法が国民に保障する基本的人権は、憲法第13条〜第40条で規定する。)
第2 日本国憲法第14条〔法の下の平等及び栄典〕
すべて国民は法の下に平等であって、...社会的関係において差別されない。
第3 地方自治法〔地縁による団体)第260条の2(甲第8号証)
G市町村長の認可を受けた地縁による団体(自治会法人)は、民主的な運営の下に自主的に活動するものとし、構成員(自治会員)に対し不当な差別的取扱いを
してはならない(原告注記:これは法人自治会運営の基本要件を定めた法律である)
原告が自治会総会傍聴を求めたことに対し、被告久保田が「一般会員の傍聴は前例にない。自治会役員会でも傍聴禁止と決めた」との理由
で傍聴を阻止したのは、上記の各法律に違反する。さらに同日(平成16年4月29日)の総会席上で、被告木俣が(会長挨拶の中で)同様に「傍聴請求があっ
たが、前例にないことと、役員会で傍聴を認めないと決めたので、認めない」と公言した。この発言は録音テープ(甲第5号証)でも明らか。
被告らは自治会運営に関する経験豊富な専門家である。被告木俣は平成16年4月までに、自治会副会長を3年間、会長を4年間も経験し、その他に驚くほど
多数の地域の役職に就いている(甲第9号証)。被告久保田も平成10年頃より自治会役員を勤め、平成16年当時は総務部長の要職にあった。ゆえに被告らは
上記の法律を当然知っていた筈であり、知っているべき責務があった。上記の法律を知っていなかったとすれば、その様な低レベルの素人(しろうと)が長年に
わたり4000世帯超の大自治会を運営してきたこと自体が大問題である。上記の法律を知っていた上で、ほおかむりして、傍聴を禁止したとすれば、聴かれて
困ることがあったのである。甲第5号証録音テープは、紛糾・混乱する総会の審議状況を示し、紛糾し混乱する様子を原告や来賓に聴かれたくないので、被告ら
は来賓らを別室で待たせ、総会会場から隔離したのである。
被告ら及び被告ら代理人は答弁書の各所で、原告には総会傍聴の権利はない、と多弁するが、これが法的に全く根拠がないばかりか、法律に違反していること
は、上記より明白で、原告が被告らの各所の答弁に個々に反論するまでもない。
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準備書面(1)第2部 被告側の答弁書(平成18年6
月7日)に対する認否・反論
(答弁書2頁)第2「被告らの非民主的、独裁的自治会
運営」について
「第2文は、否認する。自治会の目的に沿い、役員会の決定に従って自治会運営を行っており、経理面も何ら問題ない。」との被告側の答
弁への、原告の反論。
1)被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−1 (公開質問書に答えぬ自治会長)
平成16年4月29日の東林間自治会総会にて、議事審議が終了したところで、来賓と共に2階別室から総会会場に入った原告佐伯は、木俣会長が新年度役員
を選任・紹介、挨拶した後で、木俣会長へ公開質問書(甲第10号証)を手渡した。そして文書での回答を求め
た。それに対し木俣会長は、「いつも自分は此の総会など、公開の場で考え方を説明している。だから特に文書での回答はしません。」と回答した。その発言
は、録音テープ(甲第5号証)の・(2巻目の裏)の始めの方に録
音されている。
原告らが公開質問書を渡した理由は、その内容が重要で、それについて重大な疑義があったためである。さらに木俣会長の発言や説明が信用できぬ事が多々あ
るので、文書回答を求めたのである。例えば自治会館建設用地問題では、神社境内の市有地の使用について木俣会長は「市の了解を得た」と説明して、建設を推
進したが、市長へ問い合わせると、「了解していない」との文書回答が来た。そして建設は中止になった上、支払い済の一部設計料50万円は無駄になった。そ
の責任を取らぬ被告木俣は恥を知るべきである。
また木俣会長は「総会など公開の場で考え方を説明している」と言ったが、総会は一般会員が傍聴禁止されるから、公開の場ではない。全く当然の内容の公開
質問書に、「回答しない」と公言したのは、非民主的自治会運営の1例である。
2)被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−2 (嫌な質問は受付けぬ自治会長)
平成16年5月15日に開催された平成16年度第1回区長会において、古木茂区長より質問の挙手があった際、木俣会長=座長は、時間が充分あるにもかか
わらず、「議事は終わったので質問は打ち切る」「議題にない質問は受け付けぬ」と言い、質問を一方的に拒否した。しかしその後に他の区長がおこなった
2〜3件の質問には、木俣会長は丁寧に答えた。木俣会長は自分が気にいらない、または困る質問が出ると思い込み、拒否したの
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である。この問題に対し、岩本区長より木俣会長に抗議文(甲第11号証)が出された。
これは被告らの非民主的、独裁的自治会運営を雄弁に語るものである。
3)被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−3(会長宛の無効委任状を採用)
平成16年4月29日の自治会総会で、久保田部長(被告)は「委任状中、自治会長に任せるという答えが40通である」と言明した(甲第4号証の録音記録
10頁1行目)。自治会執行部が印刷し、区長へ配付した委任状用紙では、委任される者の氏名を記入しなかった場合には、自動的に自治会長が委任を
受ける内
容で印刷されていた。従って、相互に面識が少ない区長らが総会を欠席し、委任者名を空欄にした場合には、自治会長が委任された形になった(意図的)のであ
る。この結果、木俣会長が40票の委任状を得たことになった。
しかし当自治会規約では、第19条2で、代議員の委任を受けられる者は代議員=区長のみであると規定があり、会長は委任を受けてはならない。総会席上で
区長らが此の点を指摘し、抗議したが、被告らは会長への委任状40通は有効であると強弁し、抗議を抑圧し、総会を続行した。これは被告らの非民主的、独裁
的自治会運営の証拠である。
4)被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−4 (議決権なき部長らの採決参加)
平成16年4月29日の自治会総会では、議決権を持つのは代議員である区長のみであるが、木俣会長が任命した部長、副部長ら役員多数が採決に参加した。
これに対し、会場の多くの区長らが抗議、紛糾した。その様子は総会録音記録(甲
第4号証の5頁末〜8頁まで)に延々と記録されている。その6頁の終
わりで
は木俣会長(被告)が「そして慣例でございますけど、もう此処は何十年と、新旧区長さんを代議員とし、そして時の役員を代議員として、長年やって来たわけ
です。」と臆面もなく、規約違反の内容を正当化しようと強弁し、抗議の声を抑圧した。それに対し、内藤区長がさらに抗議したが、木俣被告は詭弁を弄して、
のらりくらりと逃げている。(7頁の最初から約半頁に記録)
これは被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠である。
5)被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠−5(アンケート結果の非公開集計)
自治会館建設に関し、平成16年2月に会員アンケートが行われたが、個人のプライバシーを守る為との口実で、集計は自治会幹部約3人が非公開でおこなっ
た。不正が行われ
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た疑惑もある。この非公開集計も被告らの非民主的、独裁的自治会運営の証拠である。
6)被告らの自治会運営に経理的問題がある証拠−1(会長の1000万円
受領事件)
東林間地区に平成16年に建設された約200戸の大規模集合住宅(プラウドシティ東
林間)の建設に際し、被告木俣が同年に建設業者から1000万円を受け取っていたこと
が判明した。名目は地域への協力金とされたが、自治会員は地域住民の一部(推定60〜
70%)であり、しかも自治会は任意法人であり、地域を代表するものでもない。故に当
自治会が建設業者から巨額な不明朗金を受け取るべきでない。本件は当自治会の平成17
年の総会でも「受け取るべきでない」と指摘されたが、木俣氏は受け取った後であったの
で、自治会として雑収入として入金処理したと、総会で事後報告があった。原価削減が課
題の建設業界において、巨額の金を地域への協力金など曖昧な名目で業者が出すのも理解
できない。さらに1000万円は表に出された金で、実際に動いた金の一部に過ぎないの
ではないか?との見方をする人もいるが、証拠は不明である。甲
第9号証によれば被告木
俣は相模原市住宅審議会会長にも就いている。そのような要職にあり、自治会長でもある
者が、この様な疑惑を招く行動を絶対にしてはならない。事前に総会の承認を得ることな
く金を受け取ったのは、個人として何らかの理由があって受け取ったのではないかと、疑
わざるを得ない。本件は自治会組織を巧妙に利用した贈収賄事件の可能性すら匂わす。
さらに驚くことに、その後、この金の一部、350万円が、自治会会計より東林間商店
街振興組合へ渡り、同組合の平成17年度決算で特別利益として報告され、同組合の総会
でも、自治会に入った金が何故、商店街振興組合に入るのか、不明朗な金は入金すべきで
ない、と問題になった(振興組合事務所だよりNo.164
号)。実は木俣被告は商店街
振興組合理事長経験者で、現在も顧問であり(甲第9号証)、
組合の運営に大きい影響力
をもっている。それは被告木俣が平成18年度の商店街振興組合の役員選考委員長であっ
た(甲第9号証)ことでも明白である。被告木俣は何らかの目的で、自分が運営を左右で
きる商店街振興組合に、自治会から350万円を移したのだと思われる。1000万円の
別の一部300万円は、その後、自治会より「東林間まちづくり委員会」にも移された。
被告木俣は同委員会の委員もしており、委員会に強力な影響力を持っている。被告木俣は
何らかの目的で自分が運営を左右できる同委員会へ300万円を移したのだと思われる。
上記した事は被告らの自治会運営に経理的問題や疑惑があることを示す証拠である。
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7)被告らの自治会運営に経理的問題がある証拠−2(自治会館設計費損害事件)
被告木俣らが、自治会館建設に関し会員へ賛否アンケートを平成16年2月におこなう
前に、建設を急ぎたいばかりに見込み発車し、設計の一部を設計会社へ独断で発注してい
た。そして、14年度から仕事をしてもらっていたからとの理由で、平成15年度中に設
計料50万円を支払い、平成16年4月29日の総会で事後承認を求めた。総会では抗議
で紛糾したが、押切られ承認とされた。(総会録音記録=甲第4号証、12〜14頁)
しかし、建設用地としての市の土地の使用承諾を得たと虚偽報告し、市の山口助役から
の「承諾していない」との文書回答で、被告らの強引な建設推進が阻止されて、自治会が
業者に払った50万円の設計費は無駄になった。被告らは自治会に損害を与えたままであ
り、全会員は本件に関して自治会執行部役員に対し損害賠償請求権を持つと思われる。
公人としての自治会長として行動するなら、2億円近い巨額の会館建設は、会員の総意
による承認を得て着手すべきであるが、被告らが勝手に発注したのは、被告らが何らかの
目的で個人として主導したものと判断せざるを得ない。本件は背任行為とも思える。
上記も被告らの自治会運営に経理的問題がある証拠である。
(答弁書8頁)第10行〜13行(乙1・ビラ)について
「平成16年4月29日の総会が...延びた原因は、原告及び一部の区長らが自治会
執行部を批判する文書を総会前に配付し(乙1・ビラ)、一部の区長らが総会の会場で罵
声を出したものである。これがあっても審議が粛々と進んだことは総会議事録で明らかで
ある。」との被告側の答弁を否認し、反論する。
1)被告側が提出した怪文書(乙1・ビラ)は原告が全く関知せぬものである。原告は今
回、乙1号証として出されたものを見たのが初めてで、いわんや原告が作成したものでは
ない。被告側証拠説明書によれば、乙1・ビラが配付された時期はH15年4月頃とのこ
とであるが、原告はその頃は自治会問題に全く関係していなかった。原告が自治会問題に
関心を持ったのは、H16年2月頃に自治会館建設に関するアンケート用紙を受け取って
からである。以来、自治会執行部の強引な建設推進に疑問を持ち、調査を始めた。そして
原告は大木正美氏と共に自治会長宛の公開質問書(甲第10
号証、H16年4月28日)
を作成、区長宅へ配付すると共に、翌日の総会席上で自治会長へ手渡した。その後、原告
が文書を作成・配付した場合も、全てに氏名、住所を明記しており、原告が怪文書を作る
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必要も理由もない。
原告は自治会館建設反対派ではない。会員に充分な情報を与えずに、何がなんでも建設
したいと、強引に建設を推進しようとしてきた様に見える自治会執行部のやり方(プロセ
ス)に反対してきたのである。それを理解せぬ被告らは、「建設反対派」という怪しげな
グループがあるかの如く弁論し、「建設反対派」と原告が結びついているとのイメージを
世間に与えたいようである。今回の被告側の第1回答弁書が正にその通りであり、原告を
貶める意図が伺えるが、ナンセンスである。
2)被告側は答弁書で「H16年4月29日の総会にて、審議が粛々と進んだことは総会
議事録(乙・2)
で明らか」と言う。しかし、総会審議の録音と、その文書化記録(甲第
4号、5号、6号証)が実態を証明するとおり、総会審議は大荒れに紛糾し、そのた
め2
時間の予定の総会が、3時間45分もかかったのである。延引の原因は執行部の不法かつ
イカサマ運営にあることが録音より明白である。総会審議が粛々と進んだとする被告らの
答弁は噴飯ものである。
準備書面(1)第3部 第1回口頭弁論での原告への質問に対する回
答(宿題項目)
訴状の4頁、第4「被告らの責任」に関して、次の1)〜3)に回答を求められた。
1)被告久保田が原告に退場を迫った過程で、精神的苦痛を与えたことと権利侵害の関係
が不明確との質問について
2)被告久保田は個人として傍聴を禁止する権限を有していたか?役員会で決まったこと
に従って、総務部長として実行しただけではないか?との質問について
3)被告木俣を、自治会長としてではなく、個人として訴えた理由について
1)に対する回答
原告は自治会員として傍聴する権利を有していた。それは本準備書面の第1部でも明ら
かにした通り、地
方自治法260条の2で保障されているからである。また原告は昔から
権利と義務の関係は表裏一体であることを熟知し、庶民としての権利を確保する為に、義
務を充分に果たして来た。また、近年は庶民の権利が侵される事例が多いことを憂慮し、
この問題に敏感になっていた。本事件では正に自分自身に問題が降りかかって来た。
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原告は被告久保田へ、傍聴を禁止する法的根拠は何か?と再三回答を求めたが、被告久
保田は答えず、ひたすら「前例がない、役員会で決めたこと」と繰り返すのみであった。
この状況下で原告は、不合理な理由で自分の権利を侵害されていると実感した。それを防
止できない状態に置かれている自分を見ることは、権利問題に敏感になっていた原告とし
ては、強い精神的苦痛と非常なる不快感を感じ、この状態を来賓の目の前で晒させられて
いることに屈辱感を感じたのである。
この事件では被告久保田は原告の権利を侵害し、それによって上記の如く、原告に強い
精神的苦痛を与えた。その被害の両方に対し原告は、慰謝料請求という形に統合して被告
を提訴したのである。
2)に対する回答
被告久保田が、純粋に自治会総会を取り仕切る役の総務部長として原告の傍聴を禁止す
るのであれば、総務部長としての義務を果たすべきであった。その義務とは、原告が「如
何なる法律、規約を根拠として傍聴を禁止するのか?」と再三にわたり質問したときに、
合法的な回答をする事である。しかし被告久保田は、地
方自治法第260条の2の内容を
熟知している筈にもかかわらず、または熟知しているべき責務を負っていたにもかかわら
ず、合理的な回答をすることなく、ひたすら原告の傍聴を禁止した。
これは総務部長という役職に基づいた行動ではないと断定されても当然である。すなわ
ち、個人的な何らかの理由や目的によって意図的に行動したものと断定せざるを得ない。
その理由、目的とは、規約の原則と慣例に反して自治会長3期目就任を狙い画策していた
被告木俣の意向を体して、被告木俣の忠実な第一の側近として、何が何でもこの総会を無
事に乗り切ることであった。この目的のために強引に総会を進行させようと被告久保田が
躍起になっていた姿は、多くの代議員の目にも明らかであったと思われる。この目的の為
には、総会を被告らが計画した通りに終わらせることが被告久保田の役目であった。
以上に述べたことにより、被告久保田は個人として傍聴を禁止する権限は無かったもの
の、被告木俣の強大な権力を背景に強引に権力を振るうことに慣れていたため、個人とし
て傍聴を禁止したものと判断し、個人を提訴したのである。
被告久保田が同様な行動をとったことについては他にも証拠がある。平成15年4月に
開催された同自治会の総会において、自治会館建設の賛否について議長が代議員の挙手で
採決した結果、反対多数と議長が発表した。すると被告久保田(総務部長)が「採決の結
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果に疑義がある」と発言し、さらに「自治会長宛の委任状38通があるので、会長(被告
木俣)の判断を仰ぐべきだ」と賛成側に誘導した。被告木俣は「この機会を逃しては建設
は不可能になる」との口実で、委任状38通を会長の意見に同じとして、賛成票に加えた
結果、賛否の票数が逆転し、総会の結論は建設賛成に変化した。
自治会規約では、会長は議決権の委任を受けられないし、会長自身にも議決権はない。
議決権を持てるのは新旧・区長のみである。それを最もよく知っている筈の総務部長(被
告久保田)が上記の異常な行動を取ったのである。これらの一部始終を、ある区長が全て
テープに録音しており、原告は録音を聞いて驚愕した。この例でも、被告久保田は総務部
長としては議長の採決結果を覆す権限はないにもかかわらず、自治会総会の場で不法かつ
強引に力(権力)を行使し、決して許されない事をおこなった。正に言語道断である。
そして、被告木俣も同様である。このような無法な事をしてきた自治会法人については
市長は認可を取り消すべきである。この例でも、被告久保田は公人の総務部長ではなく、
異常で不法な意図をもって、個人として行動していると断定せざるを得ない。
原告が被告久保田を個人として訴えた理由は他にもある。平成16年4月29日の東林
間自治会総会で、・定足数の偽装。・代議員資格のない役員の多数を被告らが、区長らの
抗議を押し切り、有資格として強引に採決に参加させたこと。・採決方法を挙手または起
立でおこなうべき、との区長らの抗議を無視して、議長が拍手で採決したこと。・採決時
に賛成拍手した者が主に役員ら少数者だったにもかかわらず、議長が拍手多数と宣言し、
多くの議題を違法に承認としたこと。等の不法行為があったことは録音記録で明らかであ
る。これらの理由により此の総会は成立しておらず、被告木俣の会長3選は無効であるこ
と原告は判断する。したがって3選され会長に就任したと称した被告木俣が、総会席上で
新・自治会役員(部長、副部長)らを任命した行為も無効であると思われるので、被告久
保田は総務部長の資格はないと考える。ゆえに被告久保田を個人として提訴した。
3)被告木俣を、自治会長としてではなく、個人として訴えた理由について
被告木俣は上述のごとく、規約違反を指摘されても、かつ規約違反を充分知りながら、
なお詭弁を弄して黒を白と言い張り、違法に総会を乗りきったことは録音等の証拠で明白
である。被告木俣は、自治会長の立場であれば、地方自治法第260条の2(8)の規定に反
して傍聴させない理由を論理的に説明する責任がある。しかし、それができず、説明責任
を果たせなかった原因は、純粋の自治会長の立場でなく、個人として動機不純な発想をし
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たからである。発想の目的は、本来、純粋かつ公平であるべき会長の立場を全く離れ、自
治会長という権力(利権が容易)の座を入手し、維持することであったと思われる。これ
は個人的欲望であると原告は判断した。さらに、甲第9号証に
見られるごとく、被告木俣
が20もの役職についていることも異常であり、これは個人としての支配的性格や性質に
よるものと考えられる。以上を総合的に考慮して、個人として提訴した。また上記の如く
平成16年4月29日の総会は違法で、成立していないと原告は判断するので、総会で原
告木俣が会長に再選されたのも無効と原告は考える。この面からも被告木俣を自治会長と
してではなく、個人として訴えたのである。
準備書面(1)第4部(補足) 原告が総会傍聴を求めた理由を示し
ます。
東林間自治会の加入会員数は現在4500世帯に達し、市内一番のマンモス
自治会であ
る。日本国内でも、この様なマンモス自治会は少ないと思われる。自治会執行部は末端の
会員の意見を直接に吸い上げることが不可能であり、代議員システムを採用しているが、
ほとんどの末端の各会員は区長(代議員)と面識がなく、区長が末端会員の意見を知る手
続きも実質的にない。議事録はあまりに簡単で実態が判らず、会員には無いに等しい。
このような基本的大問題を内蔵しているが執行部は問題意識を持たず、原告らがこの問
題を公開質問書の形で会長に問うたが、会長は「特に回答せぬ」と回答したのみである。
しかも現在も執行部役員らは、会員数増加推進運動を毎号の会報で呼びかけている。そ
の理由は会員が増えるほど、自治会費収入が増え、結果として会長ら執行部が使用できる
金が増えるためと思われる。自治会費収入は現在、年間1700万円の多額にのぼる。
東林間自治会の執行部役員らには自治会組織運営について、上記の基本的問題の問題意
識も、問題解決への意欲も解決能力もない様に見える。あるのは、各種の催しを頻繁に開
き、祭りでは阿波踊り連をまねいて賑やかにやりたい等、興行屋のような発想が主である
と感じられる。祭りや催しでは何時も金が動く。毎年のように祭りの寄付金を自治会長ら
が率先して集めて回り、その寄付金の処理に疑惑がいつも囁かれている。
その他にも、第2部で述べたように、異常な経理上の問題が度たび起きている。
原告は、自治会の運営実態を知るために、総会を傍聴したいと考えたのである。
以上
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