白馬村
初代 金太小屋tied on Hakuba '70 ski hutte
 

   


Hand-made Mobil Cottage

Ooki Masami Architect memorial

実作 No.1(?) - 1975 ,callled "Kinta-goya" in Hakuba


ただただ、漠然と ”モテたい”がための何か「取り柄」を・・・
身に付けたいという情熱以外、何にも考えてない?頃の  

自力建築 作品(?) No.1...

 ・


 スキーはしたい、旅費・宿代はないという苦肉の策で、白馬スキーヒュッテの季節助手に潜り込んだ。

 そもそもが、「いかに多くの時間スキーの上に乗っていられるか」という動機だから(ちょっとは建築的好奇心もあったが)、日常の仕事のポカぶりは、自ら認める、さんざんな評価のしろもので、毎日が針のむしろ。

 しかし、建築・設備の知識・修繕能力を重宝がられて?2年目の冬も住み込みを許された。
 
 ただ、ヒュッテの隅から隅、周囲のホテル・ペンションもおおかた覗いて、大体いい加減な「造り」も解りきってしまい、(写真のように一日でこれだけ積もる雪の)風土・自然に対する感覚の経験も知ったような気になり、建築的興味はもうなかった。

(当座の目標は、あの長野オリンピック・ジャイアントスラロームと同じ標高差規模で、毎年開かれる有名な草大回転レース「白馬リ−ゼンスラローム(3月10日)」の完走だった)

 それと、この、旅の寝ぐら・中古1BOX軽トラックをバラしたシャーシーの上に、牽引クランク付き・車上・立体「超」最小限住宅モデルの実作だった。
 設備は(雪・つららの水割り・オンザロック用の)水自給だけ。電気コタツの電源ほか全てヒュッテ本棟に依存した、いわゆる(電線の)「ひも付き」と揶揄?されながら、一応「独立個室」作?の林間駐車を許された。

 そのうち、大木=金太のニックネームから、いつしか「金太小屋」という愛称をいただき、訪問客、論客絶えず、可愛いがられた。(ただし、危険を察知して?同世代の女の子は全く寄りつかなかった(^^;)

 (朝食の準備時間に目覚まし時計にも目覚めず寝坊するポカのつど、朝も明け切らない極寒の雪中を起こしに来てくれた百合子様、のりこ様、未だに忘れません。ご迷惑をおかけしました。そして有り難う御座いました!)

 白馬を去る時、「物置に使えそうだし、移動もできるから置いていっていい」と言われたので、甘えさせてもらった。その後も、結構重宝していると、悪い噂は聞こえて来なかったので、忘失していた。

 数年前の年賀状で、当時憧れていた奥様からコメントをいただいた。
 「もう20年以上も経って、さすがに上物もシャシーもタイヤも崩れ、ハンドルだけ残った金属残骸になった。その正体不明の物体を見て、お客さまが、『コレは何か、どうしてここにあるのか』とよく聞かれる。その都度、『昔こういうへーんなバイトがその上に何と小屋を建てて住んでいた』というエピソードを(懐かしく?)説明している・・・」という添え書きをいただいて、胸がときめいた。

 しかしながら、これは青春の無責任時代の後始末を自らこの手で片づけに行かなければと、痛切に感じさせられ、日程まで考えたが・・・、仕事のトラブル期とぶつかったり、行政を相手に欠陥歩道路線を直させるオンブズマン役に一時も空けれなかったり、疲労困憊入院をしたりと、未だに果たせていないでいる・・・


 最近の近況においても、つい先日も、(Love River Town に移ってから、散歩に出る時は、あまりに美しい光景に出くわすのでいつもデジタルカメラを持ち歩いているのだが) 通りがかり、これも素敵な建物だなぁ!と思わず何ショットもカメラにおさめた古民家が、その翌日になんという偶然か!大型機械で叩き壊されている現場に出くわした!
 まるで昨日元気な挨拶を交わして別れた親友が、次の朝、面影も留めないような悲惨な事故でお棺に入っていた!と言うような大ショックに襲われった。
 民家・町並み・環境再生に、もたもたしている時間はないと痛切に実感して!!ちょっとでも他に気持ちを回せる余裕がない・・・
  
 この残骸はもうすこし、自然に腐食していくままの時間を与えて下されたく・・・
 (作家の名が売れて 、ゆかりの地のオブジェとして名所になることがあるかも・・・ナワケナイカ? )                        

1999年4月追記


若気の至りという言葉があるが、しかし今にして思う、
還るべき「テーマ」には到達していたような気がする  

作家は、処女作に向かって成熟の道を歩む、とか

けだし名言、か
 
 



Special Thanks to Old Friends of "Hakuba'70" & Madam Yuriko



二代目金太小屋へ(途中放置ページ)